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文武両道を実現した男女別学の進学校。

加藤: 安達先生、本日はよろしくお願いします。

安達: こちらこそよろしくお願いします。

加藤: では色々とお伺いします。まず、桐光学園の最大の特色は男女別学だと思うのですが、東京近隣では他に国学院久我山中くらいですよね。男女別学のメリットというのは何でしょうか。

安達: やはり学習面での効率化というのが大きいと思います。男子と女子では理解の度合いが違ってきますので、それに合わせた指導ができますし、それから異性がいないということで、異性の目を気にせずに男子も女子も活発に意見を言えるというのも大きいです。

加藤: 一部で混合クラスもあったと思うのですが。

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安達: 一部の選択科目で共学になる場合もありますが、基本的には中高6年間ずっと別学になります。

加藤: カリキュラムや試験などはどうなのでしょうか。

安達: それは男女とも全く同じです。成績に関しては男女別に出しますが、こちらでは男女合わせた成績を把握していますので、それを進学指導につなげていきます。

加藤: 最近では女子校が共学化する動きが多いですが、その辺はどのようにお考えでしょうか。

安達: そうですね、正直なところ脅威に感じています。ただ桐蔭学園さんが来年以降に共学化されるので、逆に差別化を図るという部分では良いかなとも思います。

加藤: 2人担任制というのも桐光学園の特徴だと思うのですが、その効果は大きいですか?

安達: 2人で約40人の生徒を見ますので、手厚いサポートができています。朝10分、帰り10分のホームルームに2名とも参加します。やはり同じ環境で情報共有ができる教員が2名いるというのは私たちにとっても安心感があります。

加藤: 女子部には必ず女子の担任が1名つくそうですね。

安達: そうです。

加藤: 男子部はどうなのでしょうか。

安達: もともと女性教員が多いわけではないので、男子部は2名とも男性教員になることが多いです。 

加藤: 次に桐光学園の魅力と言えば、講習の多さだと思うのですが。

安達: はい、講習は主に3つあります。中学生を対象とした指名講習、高校生を対象とした希望講習、土曜日に行うユニーク講習です。指名講習は成績上位者を対象としています。希望講習は大学別講習などに分かれていて、特に人数制限を設けず月、火、木、金で実施しています。

加藤: 参加者の割合はどのような感じなのでしょうか。

安達: クラブ活動との兼ね合いもありますが、高1、3は大体8割強、高2はクラブ活動で自分たちが主力になりますので、そちらをやや優先する生徒が多くなるので7割強くらいになります。逆にそこでクラブ活動をやりきってもらってから大学受験に走り出していければ良いのかなとも思いますね。

加藤: 希望講習は1人で何講座も取れるのでしょうか。

安達: はい、大丈夫です。

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加藤: 先ほど指名講習は成績上位者対象と伺いましたが、逆に成績下位者に関してはどのようなフォローをされているのでしょうか。

安達: 定期試験ごとにフォローアップ期間というのがあり、そちらでケアします。また毎朝の10分間テストがあり、翌週はそのフォロー週間になります。

加藤: そういったフォローアップとかで、生徒のクラブ活動に制限が出たりするのでしょうか。

安達: 定期テストで3割未満の点数だとクラブは制限されます。文武両道を謳っているのでクラブ活動もしっかりやってほしいのですが、やはり学業が優先になります。追試や課題をこなしたらクラブ活動にも復帰できます。

加藤: どれくらいの生徒がそれに該当するのでしょうか。

安達: それは学年、教科、単元などによって様々です。私は物理を担当しているのですが、高1の物理などは割と悲惨な結果になります(笑)。あと本校は二期制なので、前期期末試験が夏休み明けになります。夏休みに勉強しなかった子は結構引っ掛かりますね。毎朝の10分間テストにしっかり取り組んでいれば、クリアできると内容だと思います。

加藤: 希望講習では、先生方からあえて強制的に「参加しろ」みたいな感じはありますか?

安達: もちろん強制はしませんが、東大や東工大などを目指している生徒にはそれとなくその講習への参加を促しますね(笑)。

加藤: 桐光学園の特徴として、大学訪問授業というのがあります。さまざま学問分野で活躍されている大学教授などを招いて主に土曜日の放課後に講座として開催していると思うのですが。今年度はどれくらいの回数を行われたのですか?

安達: 例年は年に20回なのですが、今年度は23回でした。

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加藤: この講座に参加するのに何か制限とかあるのでしょうか。

安達: いや、希望者は基本的に全員参加できます。聞きたい講座があるときは,その日のクラブ活動を休んで参加する生徒も多いです。

加藤: 講座によっての人気不人気とかありますか?

安達: もちろんありますが、基本的にはどの講座も少なくても100~150人は集まりますね。やはりメディアへの露出が高い方は人気があります。坂本龍一先生や池上彰先生をお招きした時はアリーナを使って講演してもらいました。

加藤: こういった話を聞くことが生徒自身のキャリアデザインにつながっていくのでしょうね。素晴らしい試みだと思います。

加藤: さて、生徒の通学範囲はどのあたりが多いのでしょうか。

安達: やはり小田急線沿線が多いですね。東京からの通学者も増えていますが、特に町田、相模原、県央、県西の生徒が多いです。

加藤: これはプライベートな話なのですが、私は東京の上野公園の近くに住んでいるんですよ。今日、こちらに来るのに千代田線の根津駅から唐木田行の準急に乗って、乗り換えなしの50分ほどで栗平駅まで着きました。そう考えると東京の受験生ももっと取り込めるのではないでしょうか。北千住あたりの受験生も(笑)

安達: そうですね、神奈川県内の生徒でも1時間30分くらいかけて通っているケースも多いので、それもありかもしれませんね(笑)

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加藤: 桐光学園では帰国入試も実施していると思いましたが、実際、どの程度の人数が入学されるのでしょうか。

安達: 大体20名くらいですね。(一般受験も含めて帰国生の在籍は40~50名程度です) 

加藤: 英語は取り出し授業をされているそうですが、そちらも別学になるのでしょうか。

安達: 男女別学でやっています。

加藤: 最近は海外大学進学を視野に入れている学校が増えています。今年の桐光学園の実績を見ても何名か海外大学進学者がいますよね。これはやはり帰国生なのでしょうか?

安達: 今のところそうです。

加藤: 海外に視野を向けるということではどのような取り組みをされていますか。

安達: 昨年度から本校の国際部が独立した部署になり、担当者が海外の大学や留学先などを探していますので、海外大学を今後は押していきたいと思っています。

加藤: 現在の留学制度はどうなっているのでしょうか。

安達: 中3~高2で3か月のターム留学を希望者を対象に実施しています。やはりそれらに参加すると海外に目が向く生徒が出てきますね。  

 加藤: 続きまして、今年の大学入試についてお伺いします。東大合格者が既卒も含めて6名出ていますね。

安達: 現役生は4名でした。すべて男子で理系でした。

加藤: これもぶっちゃけでお伺いしますが、大学入試で結果を出しているのは中入生、高入生のどちらが多いでしょうか?

安達: 中入生ですね。高入生は中学3年間で結構形作られているので、高校の3年間だけで無理やり本校のカラーに合わせようとすると戸惑ってしまう生徒もいます。逆に高入生でも一般入試ではなく、推薦で入ってくる生徒の方がこちらの指導を素直に受け入れてくれて、結果を出してくれるケースが多いです。 

加藤: さて、2020年の大学入試改革に向けて、学校として新たな取り組みとかされていますか?

安達: 新高1からタブレット(クロムブック)を持たせるようにしているのですが、正直まだ試行錯誤な状態ですね。ただ東大がこの前「英語入試に外部テストは使わない」と発表していましたので、思ったほど大きくは変わらないのではないかと思っています。大学側の動きを見て、それに合わせていければという感じですね。

加藤: 次にクラブ活動についてお伺いします。やはり男子ではサッカー、野球が人気だと思います。そのような生徒は、高校からスポーツ推薦で入学してくる生徒が増えてくるとどうなるのでしょうか。

安達: やはり同じ敷地内でクラブ活動をしていますので、そのような生徒とは実力差が一目瞭然となります。その時点で他のクラブに移る生徒もいますし、腹を決めて最後まで頑張る生徒もいます。高校に上がってから挫折を味わうという生徒は少ないですね。

加藤: サッカー、野球以外で人気のあるクラブ活動は何でしょうか。

安達: 例年、人気上位は運動部が占めていたのですが、今年は上位に電子工学部が入ってきました。PC関係のクラブなのですが、やはり時代なのですかね(笑)。あとは硬式テニスの人気が上がってきました。

加藤: テニスコートは何面あるのですか?

安達: 全天候型のオムニコートが2面、クレーコートが5面ですね。 
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加藤: 女子はどうですか?

安達: ダンス部、吹奏楽部が人気です。学校説明会などで、デモンストレーションをやってもらいますので、その印象が強いのかもしれません(笑)。

加藤: では最後に、何か桐光学園としてアピールしておきたいことなどはあるでしょうか。

安達: 本校では基本的に、6年間学年教員がすべて持ち上がります。実は私、今回初めて6年間担任を持って卒業生を出したんですよ。正直、今は空っぽの状態です(笑)。桐光学園はマンモス校と思われがちですが、実は各学年は家族のような感じで、保護者の方も含めて密度の濃い関係を深められるのが最大の特徴ですね。

加藤: そうですね、6年間持ち上がる学校って珍しいですからね。

安達: そう言っていただけると有難いです。

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加藤: それでは先生、今日は貴重な時間を割いていただいてありがとうございました。

安達: こちらこそありがとうございました。

この後、安達先生に校内を案内していただきました。定期テストが終わっていましたので、実質的にはもう春休みになっているのですが、クラブ活動や、中2の学年登校日などがあり、とても活気のある校舎でした。

今回のインタビューでは話題になりませんでしたが、やはりキャンパスの広さも魅力ですね。ぜひ、実際に学校見学をされて志望校選択の参考にしてみてください。

(2018年3月15日取材) 

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