理科の100分は、90分ではない

逗子開成の授業は、月曜日から金曜日まで、45分・7校時が原則です。二時限続ければ90分。ところが高校二・三年の理科には、100分授業があります。時間割に、さらに10分を足しているのです。

学校はこれを「単なる2時間ではない」と説明します。45分+45分+10分。その100分を使い、専門的な実験や大学入試演習にまとまった時間を割きます。授業を長くすること自体が目的ではありません。途中で切りにくい内容のために、時間の枠を変えています。

この10分だけを切り離せば、小さな差に見えます。しかし理科では、現象を追う実験も、考えを積み上げる演習も、鐘が鳴ったところで都合よく区切れるとは限りません。教える内容を時間割へ押し込むのではなく、内容に合わせて時間割の側を動かす。その判断が100分に表れています。

逗子開成の理科は、中学二年までに物理・化学・生物・地学の中学範囲を終え、中学三年から高校内容へ進みます。ただ先へ進むだけではなく、実験や観察を多く取り入れるとしています。高校で内容が深くなっても、実験に使う時間を細切れにしない組み方です。

私は、進度の速さより、この10分の使い方に学校の理科教育がよく出ていると思います。必要な時間が90分で足りないなら、100分を用意する。授業の中身に時間割を合わせています。

逗子開成中学校・高等学校「理科」