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「正・浄・和」を校訓とするカトリックのミッションスクール

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加藤: 髙野先生、本日はよろしくお願いします。

髙野: こちらこそよろしくお願いします。 

加藤: では色々とお伺いします。浦和明の星女子は中高一貫校ではなく、以前は高校だけでしたよね。もっとも20年前くらいは、埼玉県で中学受験と言えば埼大附属さんと浦和ルーテルさんしかありませんでしたが。私のイメージとしては、埼玉の女子高のトップ層は浦和一女か浦和明の星女子と捉えていたのですが。中高一貫校になって変わったことはありましたか?

髙野: 高校受験を止めたことによって特に大きく変わったことはありません。教育方針、校訓、モットー、そういったものすべて建学の精神として踏襲して行っていますので、それまで高校3年間でやっていたことを中高の6年間で丁寧にゆっくりやっていくという感覚です。

加藤: 高校受験を止めたことで、埼玉県の受験事情に変化は出たのでしょうか?

髙野: もともと学校の方針が大学進学を謳っていませんので、すみ分けは出来ていると思います。世間一般的に、学校教育に対する期待は、進学指導に特化してしまっているように見受けられますが、本校が目指す教育は、それぞれの生徒が一生をかけて達成すべき課題でもあります。そのため、生活指導、学習指導、進学指導などのあらゆる面にわたって、個を見て、温かく、丁寧に忍耐強く指導を行っている学校です。

加藤: 浦和明の星女子では大学進学を全く打ち出していないのでしょうか。

髙野: どの大学に何人合格したなどの実績は、あくまでも結果論と考えています。もちろん大学進学を見据えた指導は行っていますが、勉強合宿や強制的な講習は行っていません。 本校では、日々の授業を中心とした、ていねいな学習を何よりも大切にしています。学年全体が少人数だからこそできる日々の授業における関わりが、何よりも学習の基本であり、生徒もまたそれを大切にしています。  また、いわゆる偏差値による大学選択ではなく、自分の進む道と、大学・学部の特色とのマッチングを、時間をかけて十分な指導の下で行うよう努めています。

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加藤: 授業の話が出ましたのでお伺いしますが、日常の授業での宿題などは多いのでしょうか。

髙野: 一般的だと思いますね、中1だと60分から90分くらいの分量になると思います。 

加藤: 補習はどのような感じでやられているのでしょうか。

髙野: 中学生の段階では成績のおぼつかない生徒を対象に補習を行っています。勉強することの習慣づけと、基礎力の定着を目的としていますので、成績上位の生徒に対しては行っていません。学年が進むにつれて、長期休暇等に進学指導を目的とした講習を行うことはしますが、それはあくまでも授業の延長上にあるものです。

加藤: どれくらいの講座があるのですか。

髙野: 夏休みの講座は毎年20前後の講座ですね。

加藤: それは大学別講座のようなものなのでしょうか。

髙野: いや、そうではないです。例えばこの夏休みには、英語なら「TEAPのスピーキング講座」や「英語読解」、数学なら「微分」や「ベクトル」、他にも理科では「ものの構造を調べる分解講座」なんていうものも開講されます。

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加藤: 文系、理系の比率はどうなのでしょうか。

髙野: 高校2年生で文系、理系に分けているのですが、ここ数年は若干理系が多いのかなという感じですね。

加藤: 理系だとどの学部を目指される生徒が多いのですか。

髙野: やはり医歯薬系ですね。建築、土木などは女子なので少ないです。

加藤: 浪人生は多い方ですか?

髙野: 同じ学部や学科名でも大学ごとに特徴があるから、本当に自分のやりたいことができる大学をめざしましょうと、指導をしていますので、希望していない大学に合格しても進学しないケースも多いです。昨年度の現役進学率は84%でした。

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加藤: 続きまして宗教に関してお伺いします。カトリックですよね。宗教色は強い方なのでしょうか。

髙野: あくまでもキリスト教的人間観に基づいて、教育を行っているだけです。ですので、改宗や洗礼をお願いするということはありません。

加藤: 宗教行事はどのようなものがありますか。

髙野: 毎朝、各クラスで主の祈りを唱え、聖書朗読を聞き、月ごとに変わる聖歌を歌います。また、宗教的な行事として、クリスマス行事や修養会があります。修養会は、生徒一人ひとりが生き方を考える日です。神父様から講話を聞き、感じたこと、考えたことを友達とわかち合う時間を設けています。

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加藤: 続きまして、入試に関してお伺いします。やはり1月校ですので、2月の東京の学校に抜けられる生徒も多いと思いますが、競合校はどのあたりでしょうか。

髙野: 明の星での学校生活を目指す皆さんに、ひとつお願いしたいことがあります。「皆さんが明の星教育に期待するもの」と、「本校の教育が目指すもの」との両者に接点があるかどうかをよく確認していただきたいです。「本校の教育が目指すもの」は「本校が皆さんに期待するもの」ということです。それは、皆さんが正(かけがえのない一人ひとりであることに気づき)、浄(ありのままの私として)を生きることを、和(仲間と共に)の中で実現するよう願うものです。ですので、偏差値とか知名度とかで進学先決定をしないでいただけたらと考えています。

加藤: 帰国生に対する考慮とかはあるのでしょうか。

髙野: 志願書に帰国生であることを記入してもらう欄もありません。入試の点数だけで合否を決めています。

加藤: 浦和明の星女子ですと、1月14日、2月4日の2回入試を実施されていますよね。複数回受験することでの優遇などはあるのでしょうか。

髙野: 繰り上げ合格を行う場合に、第1回と第2回の両方を受験した人を対象としています。年によってばらつきはありますが、毎年20~30名ほど繰り上げ合格者を出しています。

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加藤: キャリアデザイン教育みたいなことは何かやられているのでしょうか。

髙野: 私どもの教育のスタンスとして、基本的に“あなたはあなただよと”というのを打ち出しています。一人ひとり違うのが当たり前なので人と変なことで競争しないでくださいという指導をしています。例えばテストであの子は100点だった、私は80点だったなどを比べても意味がない。80点でもその生徒がベストを尽くした結果がそれならば良いと考えます。あくまでも自分へのチャレンジとして精進してもらいたいのです。そして、違うからこそみんなと共に自己実現を目指してほしいのです。ですからその生徒一人ひとりが、神様から与えられた使命を生きることができるかどうか、将来、ほんものの自分としての生き方ができるかどうかが大切と考えています。ですから卒業生を呼んで話を聞く機会などの講演会はしていません。その指導は、生徒に最も近い存在である担任とのきめ細やかな面接を中心として行われます。

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加藤: 英語教育に関してはどうなのでしょうか。

髙野: いわゆる4技能については、バランスよくやっています。まだ小学校での英語教育は温度差があると考えていますので、スタートはアルファベットから始めています。また、ネイティブ・スピーカーによる授業は、高1までの各学年に設置しています。20人程度の少人数クラスで行っています。高2・高3でも、オーラル・コミュニケーションやライティングの授業を選択することができます。生の英語に触れ、アウトプットすることで、世界に通用する英語を身に付けることを目的としています。なお、留学に関しては希望者を対象として高1に短期留学を設定しています。夏休み中に16日間、カナダにホームステイしています。長期留学を希望される場合は外部の斡旋団体を利用していただくことになります。

加藤: カナダってカトリックでしたっけ。

髙野: 本校の母体となる修道会がカナダにあります。

加藤: そうなんですか。

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加藤: 続きまして、生徒の通学範囲はどのようになっていますか。

髙野: もちろん埼玉が多いです。埼玉が5割、東京が3割、千葉が1割といったところですね。

加藤: 意外と東京の生徒が多いですね。

髙野: さいたま市も含めて、武蔵野線の利用者が多いです。さいたま市以外では川口市、越谷市などです。千葉もやはり武蔵野線を利用する生徒が多いです。遠いところでは群馬県の伊勢崎、前橋から新幹線で通ってくる生徒も若干ですがいます。東京だとばらけますね。国分寺とか板橋とか。

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加藤: クラブ活動に関してお伺いします。ずばり人気はどのクラブでしょうか。

髙野: 吹奏楽部やバトントワリング部、ダンス部などですね。

加藤: 競技かるた部もありますよね。強いんですよね(笑)

髙野: なんか強いみたいです(笑)。部員も多いですよ。

加藤: 競技かるたは専用の部室みたいのがあるのですか?

髙野: ありません。学校としては勉強と部活を両立させてほしいので、全国大会に何が何でも優勝するぞというスタンスは取っていません。

加藤: 部活の日数とかの限定はありますか。 髙野:ありません。ほぼ毎日やったり、週1回だけやっている部活もあります。それは顧問や生徒の裁量に任せています。

加藤: 先程の補習の話に関わりますが、補習によって部活の制限とかありますか。

髙野: そうですね。時間的に被る場合は補習を優先してもらっています。

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加藤: 髙野先生のお話を伺って、大体の学校の印象がつかめました。男子校ですけれど、サレジオ学院と似たような感じなのかなと思います。生徒と共に寄り添うって雰囲気なのかと。

髙野: カトリック系の学校は大体同じような感じではないでしょうか。ただ、強制とかしないので、自分でしっかり選んでいかないと6年間スーッと行ってしまうケースもあるかもしれません。

加藤: 先生方の学年の持ち上がりはどうなっているのでしょうか。

髙野: この規模なので、教員全員でその生徒を見ようという方針で、毎年1回クラス替え、担任替えをしています。6年間でどの生徒も担当するという感じですね。

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加藤: 施設に関してはどうなのでしょうか。

髙野: 東京ドームと同じ広さがあるそうなので、充実していると思います。温水プールや2つの体育館、1000人収容できるジュビリホールがあります。天然芝のグランドは200mトラックがあります。人工芝のテニスコートも4面、加えてバスケットコートとテニスコートの共用のコートも2面あります。図書館も2階建ての別棟になってまして、蔵書が10万冊ほどあります。

加藤: それは多いですね。自習室とかはあるのでしょうか。

髙野: もちろん図書室にも自習用の個別ブースがありますが、職員室の近くには、コミュニケーションコーナーという机を設けたオープンスペースがあります。

加藤: 利用される生徒は多いですか。

髙野: 多いですね。職員室と近いのでいつでも質問できます。また職員室前には、何枚も黒板が設置されていますので、そこで質問を受けることもできます。試験前などは行列が出来ます。

加藤: それでは先生、本日は貴重な時間を割いていただいてありがとうございました。学校の魅力がよく伝わってきました。生徒一人ひとりを先生方がしっかり見守ってくれる学校なのですね。生徒の進学指導に今後役立てたいと思います。

髙野: いえ、こちらこそわざわざご足労いただきましてありがとうございます。

浦和明の星女子は、カトリックの教育方針で生徒を見守ってくれている学校です。進学実績を誇るわけではなく、それよりも生徒自身が将来進みたい方向性を、先生が一緒に考えてくれる学校です。埼玉の私立中学では、どちらかというと進学一辺倒の学校が多いので、そういった中、独自性のある学校です。しっかりと学校の教育方針を理解し、それに賛同された方に受験してほしいというスタンスですね。

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ぜひ、実際に学校見学をされて志望校選択の参考にしてみてください。 

(2018年6月26日取材) 

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