洗足学園の算数を考えるとき、図形問題をどう扱うかは大事なポイントになります。図形は、最後まで解き切れればもちろん良いのですが、途中で止まったときに何も残らない、という答案になってしまうと苦しい。考えたこと、使おうとした条件、補助線の意図などが答案に残っていれば、次につながりますし、場合によっては得点を守ることにもなります。
ただし、最初から「部分点狙い」で勉強するのは違います。まずは、図をよく見て、条件を整理し、最後まで解き切る力をつけること。そのうえで、時間が足りないとき、あるいは途中で詰まったときに、どこまでを答案に残すかを練習しておく、という順番です。
図形は、考えた跡を残す
図形問題で差がつくのは、単に公式を知っているかどうかではありません。どこに注目するか、補助線をどう引くか、相似や面積比をどう使うか。そこに至るまでの見方が大事です。
ところが、子どもの答案を見ると、答えが出なかった問題は白紙に近い、ということがよくあります。頭の中ではいろいろ考えていたのに、それが答案に残っていない。これは大変もったいないことです。
たとえば、等しい角に印をつける。相似になりそうな三角形を見つける。面積比を使うなら、どの底辺と高さを見ているのかを書いておく。こうした小さな書き込みが、図形を解く手がかりになります。
途中で止まる原因を分けて見る
家庭で見るときは、「図形が苦手」とひとまとめにしないことです。途中で止まる理由はいくつかあります。
ひとつは、図を見直す習慣がない場合。問題文の条件を図に入れず、何となく眺めているだけでは、解き方は見えてきません。
もうひとつは、補助線や相似、面積比などの型がまだ身についていない場合です。この場合は、いきなり難しい問題をたくさん解くよりも、同じ考え方を使う問題をくり返して、見方を定着させる方が効果的です。
さらに、解き方は見えているのに計算で時間を失う子もいます。この場合は、図形の訓練というより、式の整理や計算の見通しを直す必要があります。
完答訓練と途中答案の練習を分ける
図形の勉強では、完答を目指す練習と、途中までをきちんと残す練習を分けて考えた方がよいでしょう。
普段の学習では、時間をかけてもよいので、最後まで考え切ることを大事にします。図を書き直し、条件を入れ、どの関係を使えばよいかを考える。この訓練がないと、図形の力はなかなか伸びません。
一方で、入試が近づいてきたら、時間内にどこまで答案を作るかも練習しておく必要があります。途中で止まったときに、何も書かずに次へ進むのではなく、「ここまでは分かっている」と示せるようにする。これは本番で慌てないための準備でもあります。
家庭でできること
家庭でできることは、答えを教えることではありません。まず、子どもの答案を見て、どこで止まっているのかを確認することです。
図に条件が入っているか。補助線を考えた跡があるか。式が途中で飛んでいないか。単位や面積比の扱いが乱れていないか。こうした点を見るだけでも、次に何を練習すべきかが見えてきます。
親が細かく直しすぎる必要はありません。「この角とこの角が同じになる理由は?」「この三角形とこの三角形は比べられない?」というように、一言だけヒントを出し、あとは本人に考えさせる方がよいでしょう。
そして、解き直しでは、単に正解を書き写すのではなく、「どこを見ればよかったのか」を子ども自身に言わせることです。図形は、解法を覚えるだけではなく、見方を身につける教科です。
塾のペースに流されすぎない
塾では、どうしても速く解くことや、テストで点を取ることが前面に出ます。それは必要な訓練ですが、図形の力がまだ十分でない段階でスピードばかり求めると、考える前にあきらめる癖がついてしまいます。
洗足学園を考えるのであれば、図形については、少し腰を据えて取り組む時間を残しておきたいところです。解けなかった問題をただ直すのではなく、どこを見落としたのか、どこまでなら自分で進められたのかを確認する。この積み重ねが、本番の答案を安定させます。
図形は、最後の答えだけで勝負するものではありません。途中の考え方、図への書き込み、式の整理。その一つひとつが、得点を守る力になります。家庭では、正解か不正解かだけでなく、「考えた跡が残っているか」を見てあげてください。
