過去問の直しをしていると、考え方は合っていそうなのに、途中から数字が合わなくなる答案があります。本人に聞くと、「速さが変わるのは分かっていた」と言います。ところが式を見ると、初めから終わりまで一続きです。読めていた条件を、計算の途中で切り替えられなかったのです。
洗足学園の2023年から2025年までの第1回算数には、途中で状態が変わる問題が見られました。途中から速さを2倍にして追いかける。水面が10cmに達すると隣へ水が流れ始める。容器の水が半分になったところで排水口を開ける。10個以上ならアメの単価が1割引きになる、といった場面です。今後も同じ形が続くとは限りませんが、条件の変わり目をつかむ練習には使えます。
こうした問題では、「その後」「半分になった時点で」「途中から」といった言葉のところに縦線を入れてみます。そして線の前後に「速さ2倍」「排水あり」「1割引き」など、一語だけ書きます。きれいな表を作るためではありません。「ここから別の式」と自分に知らせる印です。
計算も前半と後半に分けます。前半でかかった時間や売れた個数を出し、それを後半の出発点にします。全体を初めから一つの式に押し込むと、変わる前の速さと変わった後の速さが混ざりやすくなります。式が二本、三本になっても構いません。
過去問を直すときは、正しい式を書き写す前に、「どこで条件が変わった?」と聞いてみてください。本人がどこで変わったかわかっているなら、そこから計算を直せます。わからないときは、解説を読み込む前に変化の合図を探します。同じ単元を最初からやり直すより、こちらを先に確かめたほうがよいこともあります。
実際、縦線は引けたのに式が一本のまま、という答案もあります。そのときは、線のところでいったん鉛筆を止め、前半で何が分かったかを一つ書かせます。その数字を後半へ渡せれば、長い文章題を無理に一度で処理しなくて済みます。
