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力のつりあいに関する問題

2024年洗足学園第1回の問題です。

園子さんは、図1のようなモービルのつりあいに興味を持ち、実験をしました。実験で使用する棒や糸の重さや太さは無視できるものとし、棒や円盤はおもりをつるしても、変形したり角度が変化したりしないものとします。また、必要であれば、図2の三角形の対応する辺の長さの比を使用しなさい。小数第2位以下がある場合は、四捨五入して小数第1位まで答えなさい。

【実験1】
図3のように、はしから3cmのところでいろいろな角度に曲げて固定できる9cmの棒の両端に、様々な重さのおもりをつるした。棒が静止したときの角A、角Bの大きさ、おもりC、Dの重さを記録し、その結果を表1にまとめた。図のL1、L2は、支点を通る水平面におもりC、Dをつるしている糸の延長線がぶつかる点と、支点との距離を表している。 L1やL2を『おもりと支点の水平方向の距離』とする。

(1) 表1の(あ)に当てはまる数値を答えなさい。

(2) 実験1-2および実験1-3のL1の長さはそれぞれ何cmですか。

(3)【実験1】の結果から園子さんは、棒が静止しているとき、『おもりと支点の水平方向の距離』と『おもりの重さ』に関係があると気づきました。どのような関係があるか、[L1]、[L2]、「重さ」を用いて文章で答えなさい。

(4) 表1の(い)に当てはまる数値を答えなさい。

園子さんは【実験1】の結果をもとに、図4のようなモービルをつくりました。棒は【実験1】で使用した棒を2本と、真ん中でいろいろな角度に曲げて固定できる9cmの棒を1本使用しました。

(5) 図4の角Eが次の①、②の角度で静止しているとき、F~Hはそれぞれ何gですか。

① 30度 ② 60度

園子さんは図5のように、壁に中心を固定してなめらかに回転できるようにした円盤を用いて同様の実験ができると考えました。円盤の半径を10cmとします。

【実験2】
おもりJを円盤のふちにつるし、おもりJが動かないように、もう1つのおもりKを円盤の中心から長さL3の位置につるした。このときの角Iの大きさ、おもりJ、Kの重さ、L3の長さをはかり、その結果を表2にまとめた。

(6) 表2の(う)、(え)に当てはまる数値を答えなさい。

【解説と解答】
モービルのつりあいは、棒の重さを無視できる場合、支点からの水平距離×重さが等しくなればつりあいます。

(1)角度がともに0°であれば、水平距離はL1=3cm、L2=6cmですから、3×(あ)=6×15=90より(あ)=30g
(答え)30g

(2)角度が同じであればL1:L2=1:2になるので、図2からL1:3=1.7:2ですからL1=3×1.7÷2=2.55≒2.6・・・から2,6cm
これも角度が同じですが、45°ですから、直角二等辺三角形になるのでL1:3=1:1.4からL1=3×1÷1.4=2.14≒2.1cm
(答え)(実験1−2)   2.6cm   (実験1−3) 2.1cm

(3)L1×Cの重さ=L2×Dの重さです。
(答え)L1とおもりCの重さの積はL2とおもりDの積に等しい。

(4)51:15=17:5ですからL1:L2=5:17です。Aが60°ですから、L1=3÷2=1.5cmなので、L2=5.1cmです。したがって角Bは図2の右側の三角形になり30°です。
(答え)30°

(5)① 角Eが30°であれば、L1=L2ですからH=30g その上のモービルにかかる重さは30×2=60g
上のモービルはL1:L2=1:2ですから左端にかかる重さは60×2=120g。それをF:G=1:2に分けるので、F=120÷(1+2)×1=40g G=120−40=80g
(答え)F 40g G 80g H 30g

② 角Eが60°になるとL1;L2=1:1.7になるので、30×1.7÷1=51gがH。その上のモービルにかかる重さは51+30=81g
このモービルの左端の重さは81×2=162g 162gをF:G=1:2に分けるので、F=162÷(1+2)×1=54g G=162ー54=108g
(答え)F 54g G 108g H 51g

(6)実験2−1では、重りの比がJ:K=1:2になっているので、Kの水平距離は5cmです。L3=10cmですから、2:1になるので角I=60°です。
実験2−2では、8cmで30°ですから水平距離の比は、図2の右側の三角形と同じで、その比は2:1.7ですから、水平距離は8÷2×1.7=6.8cmです。
10×17=6.8×(え)ですから(え)=170÷6.8=25g
(答え)(う) 60 (え)25

解説動画

色に関する問題

(1) 真っ暗な部屋で、日光のもとでは白く見える壁に、赤色、青色、緑色の光を図1のように当てたところ、2つの光が重なったところはそれぞれ、赤紫色、黄色、空色に見えました.3つの光が重なったところは、何色に見えますか。適当なものを次より1つ選び、記号で答えなさい。

     ア.黒色   イ.白色   ウ.褐色   エ.灰色

(2) 真っ暗な部屋で、日光のもとでは赤く見える紙に、赤紫色の光を当てると、赤く見えました。当てる光を空色にすると、光が当たっているのに暗いままでした。

   ① この結果から分かる、赤い紙の光に対する性質を説明しなさい。

   ② 真っ暗な部屋で、ある色の壁に色々な光を当てました。壁は、赤色の光を当てると赤色に見え、緑色の光を当てると緑色に見え、青色の光を当てると暗いままでした。この壁は日光のもとでは何色に見えると考えられますか。適当なものを次より1つ選び、記号で答えなさい。

      ア.赤色       イ.青色      ウ.緑色
      エ.赤紫色      オ.黄色      カ.空色

(3) 図2のように、中央に直径3mmの円形の穴をあけた厚紙を用意し、日光のもとでは白く見えるスクリーンの30cm手前に置きました。厚紙の30cm手前で穴と同し高さから懐中電灯で赤色の光を当てると、厚紙とスクリーンに赤い部分ができました。ただし、厚紙とスクリーンは十分大きく、光がはみ出すことはないものとします。

①スクリーンにできた赤い部分の面積は何㎜2ですか。答えは、小数第3位以下があるときは四捨五入して小数第2位まで求めなさい。ただし、円周率は3.14とします。

②図2の状態から、厚紙の穴の3cm上に同し形、大きさの穴をあけ、図3のようにその穴と同し高さから青色の光も当てました。すると、スクリーン上には明るい部分が4か所できました。それぞれの色を上から順番に、次より1つずつ選び、記号で答えなさい。ただし、同し記号を何度選んでも良いものとします。

   ア. 赤色       イ. 青色      ウ. 緑色
   エ. 赤紫色      オ. 黄色      カ. 空色

③図3の状態からさらに、厚紙のはじめの穴から3cm下にも同じ形、大きさの穴をあけ、その穴と同じ高さから緑色の光も当てると、スクリーン上には明るい部分が7か所できました.上から2番目、7番目の色を次より1つずつ選び、記号で答えなさい.ただし、同し記号を何度選んでも良いものとします。

    ア.赤色       イ.青色      ウ.緑色
    エ.赤紫色      オ.黄色      力.空色

④スクリーンを日光のもとでは赤く見えるものに変えて、真っ暗な部屋で③と同様に赤色、青色、緑色の光を当てると、スクリーン上に明るい部分は何か所できますか。

(4) ヒトは3色の光の組み合わせで色を判別しており、これを3色型色覚といいます。生物によって、何色の光の組み合わせを用いているかが異なります。

①多くのほ乳類は2色型色覚で、2色の光の組み合わせで色を判別しています。ヒトが識別できる色でも、赤色と緑色の光の組み合わせで色を判別している生物には識別できない色があります。この生物が識別できない色の組み合わせとして適当なものを次よりすべて選び、記号で答えなさい.

    ア.赤色と赤紫色   イ.赤色と黄色   ウ.赤色と空色
    エ.緑色と赤紫色   オ.緑色と黄色   カ.緑色と空色
    キ.赤紫色と黄色   ク.黄色と空色   ケ.空色と赤紫色
②ハチドリは4色型色覚です。ハチドリの色の見え方について、適当なものを次より1つ選び、記号で答えなさい。

    ア.ヒトにとって真っ暗な場所は、ハチドリにとっても真っ暗である。
    イ.2つの物体の色を比べる時、ヒトが識別できなければ、ハチドリにも識別できない。
    ウ.ヒトが識別できる色の数よりも、ハチドリが識別できる色の数は少ない。
    エ.ヒトに無地に見えていても、ハチドリには模様があるように見えるものがある。

【解説と解答】
(1)赤、青、緑が重なると白に見えます。
(答え) 

(2)
① 赤紫が赤に見えることから、青は反射していないことがわかります。また空色の光を当てても暗いままだったことから、緑色も反射していません。したがって答えは赤しか反射しない、です。
(答え)赤色のみ反射する。

② 問題の条件から赤と緑は反射し、青は反射しません。したがって日光のもとでは、赤と緑が混じった黄色に見えることになります。
(答え)オ

(3)
① 光源から穴、穴からスクリーンの距離が1:1です。したがって穴の2倍の直径になるので、
3×3×3.14=28.26㎜2になります。
(答え)28.26㎜2

② 4つの明るい部分ができたことから、それぞれの穴を通った赤い色と青い色があることになります。下の赤が穴を通って青の上に来ます。
一番上は上の穴を抜けた赤、次が上の穴を抜けた青、次が下の穴を抜けた赤、一番下が下の穴を抜けた青ということになるので、アイアイです。
(答え)アイアイ

③ 全部違うのであれば、9つできるはずですから、2つ重なっていることがわかります。ひとつの穴は上から、緑、赤、青となりますから、
緑、赤、青、緑、赤、青、緑、赤、青とすれば3番目の青と4番目の緑、6番目の青と7番目の緑が重なっています。青と緑が重なると、空色です。
すると上から順に上の穴を通った緑、上の穴を通った赤、上の穴を通った青+真ん中の穴を通った緑=空色、真ん中の穴を通った赤、真ん中の穴を通った青+下の穴を通った緑=空色、下の穴を通った赤、下の穴を通った青となるので、2番目は赤、7番目が青になります。
(答え)2番目 ア 7番目 イ

④ 日光の下で赤く見えるものは、赤だけを反射します。したがって赤しか見えないので、3か所。
(答え)3か所

(4)① 赤と緑だけだと、青が入っているものとの区別ができないので、赤と赤紫、緑と空色が区別できません。
(答え) ア、カ
② 
ア→ハチドリは人間が見えない光をとらえていますから、真っ暗がいっしょではありません。
イ→人間が見えない光をとらえているので、これも違います。
ウ→ハチドリが1色多いのですから、ハチドリのとらえる色の数の方が多くなります。
エ→人間に見えない色の模様があれば、ハチドリはその模様をとらえることができます。
(答え)エ