鷗友学園では、中学三年になると英語でオリジナルの絵本を一人一冊作ります。英作文の課題を何枚か提出する、という話ではありません。これまで身につけた英語を使って、物語を一冊の作品に仕上げるのです。
その準備は中学一年から始まっています。英語の授業はオールイングリッシュで行われ、授業内外には、自分で好きな本を選んで読む多読があります。学校にある英語の本は約三万冊。中学三年間で百万語以上を読むことが目標です。ただ大量に読ませるのではなく、自分で本を選ぶところから始まるのが鷗友らしいところです。
しかし、読んだ語数だけで英語の力を測っているわけではありません。中学三年で自分の絵本を作るとなれば、読んできた本の言葉の運びや表現を、今度は書き手として使うことになります。読む側から作る側へ移ることで、覚えた単語や文法が、自分の伝えたいことを表す道具に変わります。
私は、この順序がよいと思います。最初から上手に書くことを急がせず、まず自分で選んだ本をたくさん読む。そして三年間の終わりに、一冊を自分で作る。高校では、その読解力や発信力をディベートやスピーチへつなげていきます。英語を試験のためだけに置かず、読んで、考えて、相手に届けるものとして扱っている学校なのです。
