鷗友理科、同じ距離でもダンスが違う

同じ距離を、同じ速さで飛んだ。それでもミツバチのダンスは違いました。2026年度第2回の鷗友理科には、えさ場までに使ったエネルギーで距離を測る、という仮説を実験から確かめる問題があります。

実験では、巣箱から35メートル離れた場所に長さ6メートルのトンネルを置き、内側の模様を変えました。奥のえさ場まで飛んだ二つの条件では、移動距離も速さも同じです。ところが、一方は八の字ダンス、もう一方は円形ダンスになりました。

ここで問われるのは、ミツバチの知識ではありません。「使ったエネルギーが同じなら、伝える距離も同じになるはずだ」と仮説から予想し、実際の結果との食い違いを言葉にできるかです。解答例も、同じ距離を移動して同じ量のエネルギーを使ったのに、ダンスが異なったことを理由にしています。

四つの条件を一つずつ読むと、模様やダンスの種類に目が散ります。しかし、仮説を崩す二条件だけを並べると、見るべきものは少ない。同じものは距離とエネルギー、違ったものは模様と結果です。実験問題は、書かれている情報を全部説明する問題ではないのです。

私は、この設問に鷗友理科の面白さがよく出ていると思います。覚えた知識を当てる前に、どの比較が仮説を支え、どの比較が仮説を崩すのかを決める。答案には結論だけでなく、その結論を生んだ二条件の食い違いが要ります。

鷗友学園女子中学高等学校「入試結果・問題」