鴎友の国語で気をつけたいのは、長く書くことではなく、設問で聞かれていることに正面から答えることです。物語文では、人物の気持ちや理由を説明する問題が出ますが、本文の内容をただまとめるだけでは答えになりません。「何を」「なぜ」「どのようなことか」と聞かれているのかを、最後まで外さないことが大事です。
記述が苦手な子は、本文は読めていても、答える方向が少しずれることがあります。気持ちを聞かれているのに出来事の説明だけを書く。理由を聞かれているのに、人物の様子だけで終わる。内容説明なのに、自分の感想が混じる。こういう小さなずれが、記述の点を取りにくくします。
一文で書く前に、問いの型を見る
まず確認したいのは、設問の終わり方です。「なぜですか」と聞かれているなら理由を答える。「どのようなことですか」と聞かれているなら内容を説明する。「どのような気持ちですか」と聞かれているなら気持ちを中心にまとめる。ここをあいまいにしたまま書き始めると、本文の言葉を使っていても答案がぼやけます。
特に鴎友の国語では、線部の前後だけを拾って済むとは限りません。人物同士の関係、場面の変化、直前直後の行動を合わせて考えないと、答えの中心が見えないことがあります。ですから、線部を見たらすぐに書くのではなく、「これは理由を聞いているのか、気持ちを聞いているのか、内容を聞いているのか」を一度決めてから答案に入ることが大切です。
本文の根拠を一か所に決めつけない
記述で差がつくのは、本文のどこを根拠にするかです。線部のすぐ近くに答えの材料があることもありますが、少し前の会話や、人物の置かれた状況が答えに関わることもあります。物語文では、ある一言の背景に、それまでの出来事や人物関係が含まれていることが多いのです。
そのため、答えを書く前に、本文中の材料を二つか三つに分けて拾う習慣をつけてください。「その人物が何を望んでいるか」「何に迷っているか」「相手に対してどう思っているか」などを短くメモします。長いメモは必要ありません。答案に入れるべき材料を絞るためのメモです。
最後の一文を設問に合わせる
一文で答える練習は大事ですが、最初からきれいな一文を作ろうとすると、中身が薄くなることがあります。まず材料を集め、次に問いの形に合わせて一文に整える。この順番が安全です。
理由を聞かれたら「〜だから。」で終わる。内容を聞かれたら「〜ということ。」で終わる。気持ちを聞かれたら「〜という気持ち。」で終わる。単純なことですが、最後の言い切りを設問に合わせるだけで、答案のずれはかなり減ります。
また、主語を省かないことも大切です。「悲しい」「不安だ」「うれしい」だけでは、誰の気持ちかがあいまいになります。人物名を入れて、「誰が、何に対して、どう感じているのか」を一文の中に入れるようにすると、答案が安定します。
直しは、長さよりずれを見る
家庭で記述を直すときも、「もっと長く書きなさい」と言う前に、設問に答えているかを見てください。本文の言葉を使っていても、聞かれていることと違う方向に進んでいれば点にはなりにくい。逆に短くても、問いに正面から答え、本文の根拠が入っていれば、答案としては十分に成立します。
鴎友の国語記述は、立派な表現を作る練習ではありません。本文を読み、問いを確認し、答える方向を決める練習です。過去問を直すときは、模範解答を写す前に、自分の答案の最後を見てください。その一文が、設問の聞き方に合っているか。まずそこから直していくと、記述は変わっていきます。
