国語の記述や作文を、家庭で毎週見ているご家庭は少なくありません。
ただ、続けているうちに、だんだん迷いが出てきます。
「言葉の使い方は直せるけれど、読み取りそのものが浅い気がする」
「毎回同じような注意になってしまう」
「親が見続けていて、本当に伸びるのだろうか」
そう感じるのは、決しておかしなことではありません。むしろ、きちんと見ているからこそ、家庭でできることと、家庭だけでは難しいことの境目が見えてくるのです。
家庭で直しやすいこと
家庭で見て効果が出やすいのは、まず文章の形です。
主語と述語が合っているか。文が長すぎないか。同じ言葉を何度も使っていないか。問いに対して、答えの文末がきちんと合っているか。
こういう部分は、家庭でも十分に直していくことができます。特に低学年から5年生前半ぐらいまでは、こうした基本の積み重ねが大事です。
また、答案を声に出して読ませるだけでも、本人が「あれ、変だな」と気づくことがあります。国語の答案は、書いた本人が読み返して直す習慣を持てるかどうかで、かなり変わってきます。
ですから、家庭添削そのものが悪いわけではありません。むしろ、最初の段階では家庭で見た方が良いことも多いのです。
家庭だけでは難しくなること
一方で、家庭で見ていてもなかなか伸びにくい部分があります。
それは、本文のどこを根拠にするのか、設問が何を聞いているのか、どこまで書いてどこを省くのか、という判断です。
たとえば、子どもがそれなりに長く書いている。言葉も大きく間違ってはいない。けれど、点数にならない。
この場合、問題は表現ではなく、読み取りの方向がずれていることが多いのです。
親が「もっと詳しく書きなさい」と言うと、子どもはさらに長く書きます。しかし、問われていることから外れていれば、長く書いても点にはなりません。
国語の記述で大事なのは、たくさん書くことではありません。聞かれていることに対して、本文の根拠を使い、必要な分だけ答えることです。
親が赤を入れすぎない
家庭添削で一番気をつけたいのは、親が答案を完成させてしまうことです。
赤を入れ始めると、どうしても直したくなります。言葉も直したい。順番も直したい。足りない内容も補いたい。
しかし、それを全部やってしまうと、きれいな答案はできても、子ども自身の力にはなりにくいのです。
家庭で見るときは、直すところを一つか二つに絞った方が良いでしょう。
たとえば、今日は「問いに正面から答えているか」だけを見る。次は「本文の言葉を使えているか」だけを見る。さらに次は「最後の一文が答えになっているか」だけを見る。
そのくらいに絞ると、子どもも直しやすくなります。
外部添削を考えるタイミング
外部添削や個別指導を考えた方が良いのは、家庭で見ても同じところで止まっているときです。
たとえば、毎回、理由を聞かれているのに気持ちだけを書いてしまう。本文の根拠を使わず、自分の感想になってしまう。字数は埋まるが、何を答えているのか分かりにくい。
こういう状態が続く場合は、第三者の目を入れた方が早いことがあります。
親子だと、どうしても感情が入ります。「前にも言ったでしょう」となりやすい。子どもも、親に直されると素直に聞けないことがあります。
その点、外の先生に見てもらうと、同じことを言われてもすっと入る場合があります。これは家庭の力が足りないということではなく、役割を分けるということです。
鴎友学園を考えるなら
鴎友学園の国語を考える場合、単にきれいな文章を書く力だけでは足りません。
本文を丁寧に読み、問われていることに対して、自分の言葉で整理して答える力が必要になります。
ですから、家庭で作文を見ている場合も、「表現が上手かどうか」だけでなく、「本文に戻って考えられているか」を見ることが大事です。
記述が短い子は、考えていないのではなく、何を材料にして書けばよいかが分かっていないことがあります。逆に、長く書く子は、材料を選べていないことがあります。
どちらの場合も、まず本文のどこを使うのかを確認する練習が必要です。
「この答えは、本文のどこから考えたの?」
家庭で声をかけるなら、この一言で十分なこともあります。
家庭添削は、全部を背負わなくてよい
家庭で国語を見ることは、とても意味があります。
ただし、親が採点者になり、添削者になり、先生になりすぎると、親子ともに疲れてしまいます。
家庭で見るべきなのは、まず学習の習慣です。答案を読み返す。本文に戻る。問いをもう一度読む。直した答案をもう一度書く。
この流れができていれば、かなり大きな前進です。
そのうえで、読み取りの深さや設問ごとの書き分けがなかなか進まない場合は、外部の力を借りれば良いのです。
家庭でできることをきちんとやり、家庭だけで難しいところは外に任せる。その方が、子どもも親も楽になります。
国語は、急に変わる教科ではありません。しかし、正しい方向で続けていけば、答案は少しずつ変わっていきます。大事なのは、親が全部直そうとしないこと。子ども自身が、もう一度考える時間を残しておくことです。
