鴎友の記述が伸びないときに見ること

塾では上位にいる。模試の成績も悪くない。それなのに、鴎友学園を意識して国語の記述をやらせてみると、どうも答案が伸びない。

これは、珍しいことではありません。

塾の成績が良い子は、文章も読めるし、知識もあります。ただ、鴎友の記述で大事になるのは、うまい文章を書くことではなく、設問に対して、本文を根拠にして、必要なことを過不足なく書くことです。ここが少しずれると、力があるのに点になりにくい、ということが起こります。

塾の記述では、ある程度まとまった要約が書ければ評価されることがあります。また、言葉を多く使って、それらしくまとめる答案も点になりやすい場合があります。

しかし、鴎友の国語では、まず「何を聞かれているのか」を正確につかむことが大事です。その上で、本文のどの部分を根拠にして、どう答えるのか。その筋道がはっきりしていないと、長く書いても得点には結びつきにくい。

ですから、家庭で見るときに、いきなり文章全体を直そうとしない方が良いでしょう。

親が赤ペンを入れて、より良い表現に書き直してしまうと、一見答案は良くなります。しかし、それは親の答案です。子どもが次に同じように直せるとは限りません。

まず見るべきことは、もっと単純です。

この設問は何を聞いているのか。

子どもに、まずそれを一言で言わせてみる。ここで詰まるようなら、答案以前に、設問の読み取りがあいまいです。

次に、その問いに対する答えを一文で言わせます。最初から立派な記述にする必要はありません。まずは、結論があるかどうかです。

そして最後に、本文のどこを根拠にしたのかを指で示させる。

この三つがそろえば、答案はかなり整いやすくなります。逆に、どれか一つが抜けていると、文章は長くても、何を答えているのか分かりにくくなります。

鴎友を目指す子の場合、家庭で注意したいのは、表現を飾ることではありません。語彙を増やすことも大切ですが、それはあとで良い。まずは、設問、結論、根拠が一本の線でつながっているかを見ることです。

たとえば、最近解いた答案を一問だけ取り出してみます。

「この問題は何を聞いている?」
「答えを一文で言うと?」
「本文のどこからそう考えた?」

この三つを確認するだけで十分です。週に一回、五分から十分で構いません。たくさん直すより、一問をていねいに見る方が、子どもには分かりやすいのです。

注意したいのは、塾の上位にいるから大丈夫、と考えすぎないことです。塾の組み分けや模試は、全体の力を見るには役立ちます。ただ、志望校の問題に合っているかどうかは、また別の話です。

鴎友の記述で伸び悩んでいるなら、点数だけを見るのではなく、答案の中で、問いと答えと根拠がつながっているかを見てください。そこが整えば、もともとの読解力が答案に出やすくなります。

それでも家庭で見るのが難しい場合は、外部の添削や個別指導を使うのも一つの方法です。ただし、その場合も、単に赤字で直してくれるかどうかではなく、「何を聞かれている問題なのか」「どこを根拠にすればよいのか」「子どもが自分で書き直せるか」まで見てくれるかを確認した方が良いでしょう。

今日できることは、直近の答案を一問だけ見ることです。

設問を一言で言えるか。
結論を一文で言えるか。
本文の根拠を示せるか。

この三つを確認するだけでも、鴎友の記述対策はかなり実務的になります。

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